近年の日本人の健康意識は非常に高くなっています。また、健康だけではありません。美容方面への探求心も強く、実際に美しくなった人たちが増えてきました。
高い健康意識、美容意識を持った人たちがいつも傍に置いているのがオリーブオイル。
とくにオリーブオイルを使用した化粧品の種類の豊富さには驚かされます。
なぜ、オリーブオイルがいつも選ばれるのでしょうか?

オリーブオイルはアレルギーを起こしにくい
オリーブオイルの成分組成はヒトの肌や母乳に類似し、アレルギー症状を起こしにくいと考えられています。
ところで近年、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、ぜん息などアレルギー性疾患に罹患する人が増えています。
アレルギー性疾患にならなくても肌が過敏だったり、かぶれやすかったりとアレルギー様症状を呈する人が多くなっていることは確かなようです。
このような方にとってオリーブオイル化粧品は、安心して使える化粧品です。

オリーブオイル化粧品の品質が安定している理由
オリーブオイルには、酸化されにくいオレイン酸が70~75%も含まれています。
酸化されにくい成分が含まれるメリットは、その化粧品の品質劣化の予防につながることです。
オレイン酸は不飽和脂肪酸の仲間です。不飽和脂肪酸は化学構造式の中に二重結合をもっている脂肪酸ですが、二重結合が多いほど酸化的に不安定になります。
オレイン酸は二重結合が一つしかない脂肪酸(一価不飽和脂肪酸)であり、酸化的にとても安定しています。
ただ、オレイン酸はヒトの皮脂にも存在しているため、オレイン酸を含む化粧品の過剰使用は、強い脂性肌の人にとって肌全体や毛穴、その周辺に悪影響を与えることもあるとの報告があります。

エモリエント(肌の保湿、柔軟保持)効果がある
エモリエント効果が得られなければ、いくら巧みなメイクアップ技術を駆使しても本当の美しさを表現することはできません。
すべすべしてハリツヤの肌に施してこそ、メイクアップの技巧が光ってきます。
ところで、エモリエント効果に関係することですが、興味深い論文を見つけましたのでご紹介したいと思います。
オりーブオイルがもたらす肌と水分量の関係
この論文は、林水産省・農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センターが発表した論文です。
高齢者(70~100歳)に多い乾燥肌がオリーブオイルの塗布によって改善されるかどうかを検証しています。改善の状況は肌からの水分蒸散量の変化で確認しています。
近年、オリーブオイルが食用だけでなく、化粧品の油性基剤としてのオリーブオイルの需要が増加していることもあって、この研究が始まったようです。
この論文は乾燥肌の高齢者を対象に書かれたものですが、オリーブオイルが入った化粧品を使用する人たちにも非常に興味深い論文となります。
オリーブオイル塗布前後の実験結果(農林水産省実施)
実験結果は肌の水分量が少ない、つまり、肌の乾燥が強いほど、3ヵ月間におけるオリーブオイル塗布後の水分量は増加しました。
逆に、十分に肌に水分量がある場合、塗布後の水分量増加はなく、逆に減少しました。
この減少した理由は、オリーブオイルの連続的塗布によって皮脂量が増えたため、その分、水分量が減少したという結論に至っています。
水分量が減少したため、普通肌から乾燥肌になったというのとは違うということです。
一方の水分蒸散量ですが、水分蒸散量が増えるほど、水分蒸発が強く保湿性が低下することになります。
オリーブオイル塗布前の水分蒸散量が多い(乾燥肌)ほど、塗布後の水分蒸散量の減少が見られましたが、塗布前の水分蒸散量が少ない(普通肌以上)場合、塗布後の水分蒸散量は逆に増加しました。
高齢者は、皮脂分泌の減少などが原因で水分蒸散量が一般成人以上に多く、肌の乾燥や乾燥による痒みが強くなります。
皮脂分泌の減少は高齢者でなくてもおきやすいことから、高齢者を研究対象にした論文とはいえ、非常に参考になると思われます。
実験は、被験者の背中上部の皮膚水分量と水分蒸散量をオリーブオイルの塗布前後、経時的に測定することで実施されました。
オリーブオイル塗布によって肌の保湿性と健常性を維持
上記の実験結果からいえることは、オリーブオイルは乾燥の強い肌に対しては、肌のバリア機能低下を阻止して肌の保湿や柔軟性を与え、元々、保湿性の高い肌に対してはババリア機能はそのままに肌の健常性を乱さないと、いうことです。
水分保持機能の低下した肌へのオリーブオイルの継続的な塗布は有効であることから、オリーブオイルを化粧品に配合することで継続的塗布が簡便になり、バリア機能の低下を予防することが可能になります。
また、現時点、十分に水分が保持されていたとしても、加齢と共に肌の水分量や皮脂量が減少していくことを考えると、オリーブオイルの化粧品を表示通り、適切な使い方をすることで、現時点の肌の状態を維持できると考えます。
このようなことから、オリーブオイルが化粧品配合成分として選ばれるのは当然のことと考えます。

オリーブオイルが化粧品配合成分に選ばれることのまとめ
農林水産省側の実験結果は、オリーブオイルを使用する私たちに安心を提供してくれるものでした。
ただ、オリーブオイルに限らず、過剰使用はその物質の安全性を崩すものです。
適正使用することが肌にとって一番いい!ということなのでその化粧品の説明書をしっかり読んでから使用しましょう。
製品仕様
生産者 | パスクアーレ・ディ・レーナ |
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原産国 | イタリア モリーゼ州 |
品種 | ジェンティーレ・ディ・ラリーノ
※ラリーノ土着品種 |
抽出 | コールドプレス(27℃) |
EU有機認証 | 有 |
輸送 | 空輸 |
収穫時期 | 9月下旬〜11月初旬 |
収穫方法 | 手摘み |
粉砕 | ハンマークラッシャー |
輸入後品質管理 | オリーブオイル専用セラーで保管 |
インポート | アントビー株式会社 |
製品仕様
内容量 | 15g / 80g |
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全成分 | カリ含有石けん素地、オリーブ果実油、シリカ、ハチミツ、炭、グリセリン、水、エチドロン酸4Na |
製造国 | 日本 |