オリーブオイルといえば、食用と化粧(美容)用がよく知られています。
実はもう一種類オリーブオイル、正式にいいますと、「日本薬局方オリーブ油」があります。
これは、医薬品に分類されています。
医薬品と化粧品は成分が同じであっても、それぞれ求められる基準が違います。
今回は、医薬品である日本薬局方のオリーブ油について解説いたします。
また、このオリーブ油は、化粧(薬用)用のオリーブオイルとして使えるのかどうかも考えてみたいと思います。

日本薬局方オリ―ブ油は第3類医薬品
オリーブ油の文字の前に、日本薬局方とパッケージに表示された製品は医薬品で、第3類医薬品に分類されています。
日本薬局方では「オリーブ油」と表示されていますが、オリーブオイルと成分原料は同じです。
ただ、日本薬局方表示されたオリーブ油は医薬部外品(薬用)や化粧用と比べ、厳しい基準をクリアして医薬品として認可されています。
日本薬局方のオリーブ油は、オリーブの木(Olea europaea Linne)の果実から絞り出し(圧搾)て採取した油です。
- 日本名:オリーブ油
- 英名 :olive Oil
- 色・性状:淡黄色で微臭、常温で液体
- 含量:製品1m中に日本薬局方オリーブ油1mlを含む
- 凝固点(液体⇒固体になる温度):0~6℃で一部、あるいは全て固まる
- 投与方法:経皮(成分が肌から体内に入っていく)
- 剤形:液剤(外用剤)
- 効能効果
-皮膚を保護する
-日焼けの炎症防止(日焼け止め薬ではない)
-火傷やかぶれ - 用法:ガーゼや脱脂綿に浸して患部となる皮膚に塗る
- 添加物:無し
- 使用上の注意
-小児使用の場合は、保護者の監督下で使用
-万が一、目に入った場合、即、水やぬるま湯で洗眼。よくならなければ、眼科受診
-外用剤として使用し、内服はNG - 保管方法・注意
-密栓
-直射日光を避け、涼しい場所で小児の手の届かない場所に保管
-誤用防止、品質を保つため、他の容器に入れかえない
-使用期限を厳守
-寒冷時の一部凝固、全凝固による品質の劣化はなく、温め溶かして使用可
医薬品のオリーブ油は、上記のような基準をクリアすることが必要となります。

日本薬局方のオリーブ油は食用に使用してはいけない
オリーブオイルは飲んだり、肌につけたりすることができるオイルですが、「日本薬局方 オリーブ油」は塗り薬としてオリーブの実から製剤化されたものです。
そのため、上記の内容 (1-1)を見ていただければわかりますように、「飲んだ場合」などという効能がありません。
日本薬局方のオリーブ油を使用して、万が一、副作用と思われる重篤な症状が出た場合、
副作用被害救済制度の対象となり、国や当製品の製薬会社が責任をとってサポートいたします。
しかし、内服(飲んだ)して重篤な副作用がおきた場合、適応外の使用をしたということで副作用被害救済制度を受けることはできません。医療機関への受診などをはじめ、かかった費用は全て自費になります。
日本薬局方と表示されたオリーブ油の品質などは塗り薬としての保証はされていても、それ以外の使用についての体への影響などについては、全くのノーマークであることを把握しておきましょう。
ところで、「薬用」という表示がありますが、これは医薬品だと思いますか?
じつは医薬部外品に該当します。
具体的には、「薬用入浴剤」とか「薬用ハミガキ粉」などがあります。
また、化粧品は医薬部外品ではなく、化粧品に分類されています。
オリーブオイルは幅広く活用されやすいオイルで、いろいろな製品に配合されています。
そこで、医薬品・医薬部外品(薬用)・化粧品の違いを簡単にわかりやすく解説いたしますので、購入、使用の際に役立ててください
簡単にいいますと、医薬品>医薬部外品(薬用)>化粧品の順番で作用効果が穏やかになっていきます。
これらは薬機法できちんと区分け、定義されています。
医薬品とは
治療や予防、そして検査を目的に使用することができます。
医薬品は下記の3種類に分類されています。
○医療用医薬品:医師が出すお薬(処方薬)です。薬局やドラッグストアで購入はできません。
○要指導医薬品:ある医療用医薬品の高い安全性が認められ、初めて薬局やドラッグストアで販売される医薬品などがここに分類されます。
薬剤師の対面、文書による指導や情報提供が必須で、ネットからの販売や購入は許可されていません。
○一般用医薬品:薬局やドラッグストアで販売可能です。第1~第3類までリスク別に分類されています。
ネットからの販売や購入が可能です。
ただ、第1類医薬品は、薬剤師から要指導医薬品と同じような指導を受ける必要があります
日本薬局方のオリーブ油は第3類医薬品ですから、薬剤師による対面指導は必要ありません。
(薬用)医薬部外品とは
体に対する効果が穏やかで、機械や器具ではない製品と薬機法で定められています。
また、効能効果のゆるやかな表示が許されています。
ときに、薬用化粧品とか薬用ハミガキ、薬用入浴剤と、「薬用」と表記されていることも少なくありません。
表記されていなくても、パッケージの裏側などに「医薬部外品」と記載されていますので、確認しましょう。
化粧品とは
機械や器具ではなく、人体への作用が、医薬部外品よりもさらに穏やかな製品であることが求められます。
その上で、厚生労働省は化粧品を「身体を清潔、美化し、容貌を変化させる、また、肌や髪を美しく健やかに保つためのものであり、使用方法が塗布、散布、またはこれに類似する方法で行うもの」としています。
日本薬局方のオリーブ油は火傷など医療用として使用するのがおススメ
美容用オリーブオイルは肌が美しくなるように製造設計され、化粧品に分類されているものがほとんどです。
一方の日本薬局方のオリーブ油は美容ではなく、火傷やかぶれなどの改善に向くように製造されているわけです。
そのように考えますと、美容目的であれば、日本薬局方のオリーブ油を用いるよりは、美容用のオリーブオイルを用いるほうが肌が美しく映えるのは、当然のことす。
もし、火傷をしてオリーブオイルを使いたいのであれば、医薬品のオリーブ油のほうが火傷の肌に対する治療効果があると考えます。

おわりに
日本薬局方のオリーブ油を美容用として使用することを思っている人は、おられると思います。
しかし、成分は同じであっても、その使用目的に応じて分類された製品を使うことがいちばん効果的ということが、今回の記事でおわかりいただけたのではと思います。
それぞれのメリット、デメリットをしっかりと把握してそれに合った使い方をしましょう。
製品仕様
生産者 | パスクアーレ・ディ・レーナ |
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原産国 | イタリア モリーゼ州 |
品種 | ジェンティーレ・ディ・ラリーノ
※ラリーノ土着品種 |
抽出 | コールドプレス(27℃) |
EU有機認証 | 有 |
輸送 | 空輸 |
収穫時期 | 9月下旬〜11月初旬 |
収穫方法 | 手摘み |
粉砕 | ハンマークラッシャー |
輸入後品質管理 | オリーブオイル専用セラーで保管 |
インポート | アントビー株式会社 |
製品仕様
内容量 | 15g / 80g |
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全成分 | カリ含有石けん素地、オリーブ果実油、シリカ、ハチミツ、炭、グリセリン、水、エチドロン酸4Na |
製造国 | 日本 |